ちゅんちゅんという雀の鳴き声が聞こえ、は、とても気持ちよく目を覚ました。

一瞬ここがどこか迷ったが、すぐに思い出す。

(そっか、宿。お風呂入れるかな…)

もそもそと布団を畳み、襖を開ける。

通りがかった仲居さんに朝食と風呂を頼んだ。

本当はあまりよくないけれど、は先に朝食を食べ、風呂に向かった。


白い透けない襦袢に着替えて風呂に入る。

「ふぅ…」

ふと、が、視線を移すと、見たことがあるような黄色の物体が目に入った。

(なんで…こんなところにアヒルさんが…いや風呂だからいてもいいんだけどさ)

ざぶざぶと湯を掻き分けてアヒルの傍に行く。

手に取ってみても、それは確かにアヒルだ。

暫し、アヒルと湯を共にしてはあがった。


髪を手ぬぐいで拭きながら縁側を歩く。

そういえば、とは思う。

あのアヒル一体誰のものだろう。

(久秀様…は、ないか。三人衆…?シュールな絵ができそうだなぁ。風魔さん…風魔さんか…な、なんて萌えアイテム!)

風魔とアヒルの入浴シーンを想像してしまい、はそのあまりのほのぼの加減に、思わず柱に寄りかかった。

「何やってる?

後ろから声がかかった。

「やっと起きたかー」

「遅いぞ」

そして、ぞろぞろと二人ほど最初に声をかけた人の後ろから出てきた。

は、その、宿の浴衣に身を包んだ、青年達に見覚えがなく、後ずさった。

「ぇ、あ、の、どちら様で…」

「は?」

「へ」

「ぶっ」

二人はのその様子に驚き、一人は噴出した。

その笑っている青年がに言った。

「ぶっくくく…、そういえば面を取って顔合わすの初めてだったか」

そう言えば、と他の二人も納得し、に口々に言う。

「確かに」

「そういえばそうだなぁ」

その見事な連携の台詞の応酬。

誰かと思い至ったは思わず指差し叫んだ。


「三人衆ーー!?」


「ああ」

三人は一様に頷いた。

「あ、そう、なんだ」

は、じろじろと無遠慮に見てしまう。

「ところで、

「やらないか、卓球」

兄がラケットを見せた。

「卓球なんて、あるんだ」

は、この時代に卓球あったのだろうかとふと、思ったがまぁBASARAだし、で終わった。

三人衆がいた部屋は休憩所らしく、卓球台のほかに長椅子がそこかしこに置いてあった。

「さっきの続きだ、兄弟」

「そうだな、兄弟」

弟二人がさっきまで試合していたらしく、続きをやろうと台についた。

それではなんとなく合点がいった。

「要するに相手がいない…」

「そういうことだ」

卓球とは二人か四人でやるもの、三人では一人は審判だ。

もう一つの台について、打ち合う。

ぽんぽんとラリーが続く。

「試合したらどうだ?」

「兄ととは面白い」

その様子を見た弟達が言う。

そして、と兄の戦いの火蓋が斬って落とされることになった。