※ネタバレ要注意





片倉が少し、広い場所に出ると奥には三人衆がいた。

「来たか」

必殺非業三好三人衆登場

「…久しぶりだな」

兄が、片倉の斬撃を受け止めながら話しかける。

ガギン

「お前もしつこいな。しつこすぎると」

キン

「嫌われるぞ」

三人の流れるような連携攻撃を受けながら片倉は隙を見て攻撃を繰り出す。

「テメェらに言われたくねぇ」

ザンッ

双方引いて距離を取る。

と、遠くの方から地響きが聞こえてきた。

「なんだ…?またテメェらの薄汚ねぇ策か」

片倉は警戒し、ガードを固める。

「いや、これは…」

三人衆は音のするほうを意識する。

次の瞬間、四人の脇を風が通り抜けた。

「たぁーすけてぇー」

物凄いスピードで走る馬の上でが一瞬のうちに言えたのはそれだけだった。

「…!?」

「な、何してんだアイツ」

「ぉ、ぉぃ、追いかけるぞっ」

三人衆は片倉に一撃食らわせると、一目散に暴走した馬を追いかけて行った。

「…っ、アイツ…生きてたのか」

片倉は、三人衆と馬が消えていったほうを見て呟いた。

「…いずれにしろ、卿の勇気には敵わない。一人で戦おうという、この素晴らしき無謀」

少し毒気を抜かれていた片倉に松永の声が届いた。

その瞬間、片倉は自身に怒りが宿りなおしたのを感じた。

「俺はこの世の果てまでテメェを追う。そして必ず、預けたものを返してもらうぜ」

そして、刀を握りなおし松永のもとへと向かった。

一方は、馬から振り落とされそうになりながらも縄で繋がれていることでなんとか落馬せずにいた。

手は意味のない手綱を握り、歯を食いしばり必死にしがみ付いていた。

しかし、ずっとその状態、限界がきていた。

(も、もう…ダメだ)

ふ、と意識が一瞬落ちるのを感じた。

ひゅるるぅぅぅ

を中心に風が巻き、馬は止まり、の縄はばらばらと地に落ちた。

薄っすらとが瞼を開けると、風魔がを抱きかかえていた。

「…また、助けてもらいましたね」

今度はしっかり自分の足で立ち、風魔を真っ直ぐ見つめては礼を言う。

「ありがとうございます」

にこりと笑顔で言えば、風魔はの頭を一撫で、しゅんっと消えた。

は、馬にしっかりと六爪の箱があることを確認し、馬を傍の木にくくりつけた。

そしてぼんやりと来た道の先を見る。

そこではまさに片倉が松永を追い詰めんとしていた。

「松永っ」

「クク…卿の顔を見たら思いだしたよ。人質だ」

片倉は松永をこれでもかと睨む。

「人質は目的達成のための手段。無事でこそ意味がある。しかし目的を果し彼らが無用の長物となった今、どうするべきか…」

「松永ぁ、くたばれ!」

鬼気迫りながら片倉が松永に斬りかかる。

キィン

しかし、松永の前に風魔が割って入り、片倉の刀を受け弾く。

それを横目で見、松永は背を向ける。

「流石は風魔、良い仕事だ。では失礼」

そして、何処かへと去っていった。

片倉は怒りに打ち震え、力任せに刀を地面に突き刺した。

「おらぁぁ!」

ふ、は、はははははははっは…聞こえたぜ、緒の切れる音がぁ」

怒りで片倉の枷が外れた。

ぶっ殺す…どけ風魔、テメェを責めるつもりはねぇ。だが、邪魔立てするようなら容赦はなしだッ!」

片倉は叫び、風魔に攻撃する。

風魔は何も言わず、それを受け止める。

「退く気はねぇようだな…ならば泣かせてやる。涙を流せ!…テメェに信念はあるか、見えるのは金のみか」

何も言わない風魔に片倉は猶も問いかける。

「言う気もなしか。それでもいいぜ、もう我慢はやめだ!来い!金という薄っぺらい目的で俺を殺せるもんなら殺してみろ!!」

風魔の術が発動し、辺りがまた暗闇に包まれた。