※ネタバレ要注意
最初の門をくぐり抜けると、の視界いっぱいに赤が広がった。
燃え盛る炎の赤が全てを赤い色に染め上げていた。
「っ」
激しい吐き気と異臭がを襲う。
パン
燃える、壁や崩れた木材が燃え爆ぜる。
覚悟は、していた、気がした。
想像も、していた。
けれど、イメージと五感全てで感じる現実とは、余りにも懸け離れていた。
ごとり、との足元に転がってきたものに、怖気が全身を駆け巡る。
呼吸が止まる。
がくがくと震える身体を抱きしめることすら、できない。
生理的な涙が溢れる。
ぺたりと、後退して座り込んでしまう。
冷たい地面、熱い空気、手の平に感じる地面にはやっと呼吸を思い出す。
「っ…はっ」
暫く呼吸を繰り返し、ぎゅっと御守を握り立ち上がった。
熱気がの頬を撫でる。
ぐいと涙を拭い、前を見据えた。
片倉は、三好三人衆と対峙していた。
「…またお前か」
兄が呆れたように言う。
「…お前も奇妙な男だな」
「…これで、終わりにしよう」
続けて弟達も言う。
すっと兄が仮面の裏で目を細める。
三人衆と片倉は戦闘を開始した。
「鋭く、素早く、静穏に」
紫色の香が漂いだした。
「チッ」
片倉の舌打ちにニヤリと弟が言う。
「仕方ないだろう?手段は選ばない」
「ふんっ」
香炉を壊す片倉に、もう一人の弟が静かに言う。
「意外にやるな…予定が狂う」
「この後、を迎えに行かねばならないのに」
「そうだな…今頃一人で寂しがっているだろう」
「お前等実はやる気ないだろ?」
次々と飛び出す緊張感のない言葉に片倉は愚痴る。
そして、三人衆を突破した。
「仕方ない、今日が、落日か…」
門を抜ける際、片倉は松永に言う。
「そこで待ってろ…閻魔様への挨拶を練習しておけ」
「卿は冗談がうまいな、いや感心した」
それに松永は声を上げて笑った。
の耳にも松永の声が届いた。
は、その瞬間に身体の震えが治まっていくのを感じた。
その事態に苦い笑みを浮かべ、はまた一歩、戦場の中へと進んで行く。
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