※ネタバレ要注意





「…!?」

松永は、突然現れたに驚きを隠せないようだった。

「ハッHAHAHAHA!、遅かったじゃねぇか」

伊達は堪らないとばかりに笑い、に言う。

それには微笑んで、松永に向き合う。

「…今、久秀様が死ぬと仰るのでしたら、私、考えがあります」

は言葉を選びながら松永に言う。

「…何かね?とりあえず、その手を離しなさい」

「嫌です」

首を振って即答する。

そんなに松永はもう一つの手で無理矢理はがす。

「火傷をしてしまうだろう?もう少しよく見たまえ」

「っほら、久秀様は優しいじゃないですか!だから、だから、私、ここで久秀様が死ぬんでしたら、松永久秀良い人伝説を作って吹聴して回ります!それで、それで、私がどれほど救われたか言って回ります!実は、動物が好きとか子供好きとか色々捏造とかして、言い広めます!だから、だから…!」

は、形振り構わず叫んだ。

顔は涙でぐしゃぐしゃになり、声もぐでぐでで最後の方はよく聞こえない。

…」

「地獄への扉は無事開いたみてぇだな?松永」

片倉はそんな二人を揶揄するように、松永に問いかけた。

伊達も横で満足そうに笑っている。

「ハッ…全く、人生はこれだからわからない…」

そんな伊達主従を見て、松永は呟いた。

「行くぜ、小十郎」

「はっ」

「じゃぁな、

片倉を引き連れ、伊達はにニヤリと笑みを見せて背を向けた。

バチバチ…

「…酷い顔だな」

ぐいとの顔を拭ってやる。

「っ、ひ、久秀様、の、が、酷い、ですよ、傷」

ぼろぼろと泣きながらぎゅぅぅと松永の服を掴む。

「かすり傷だ、と言いたい所だが、そうも言えんな…」

は、歩き出そうとする松永を支える。

「帰るか…」

「はい」

松永とは、燃え盛る大仏殿を後にした。



「いっってっ、痛い!」

「我慢、我慢」

「松永様みたいに言ってもやってること酷いからな!

「瑣末、瑣末」

「消毒液多っもっと少なくてぃイテェ!

「この後久秀様の様子見てこなきゃならないんだから、大人しくしててよ三人衆」

「ほれ、後はこの婆が見とくかの。は、松永様んとこ行ってきんしゃい」

あの後、とりあえず松永軍の大半は城に帰し、三人衆と松永は近くの屋敷で治療を受けていた。

「ぁ、はい。お願いします」

は、三人衆のいる部屋をお婆さんに任して、松永のいる部屋へと向かう。

つ、と視線を上げると、縁側に腰掛けている松永が目に入る。

「久秀様」

「卿か…」

「傷はどうですか?」

隣に座る。

「瑣末、瑣末…もう塞がったよ」

それよりも、と松永はのほうを見る。

「卿は、よかったのか…?」

静かな瞳、は、一瞬何のことかと思うが、思い至るとゆったりと微笑んだ。

「ええ、これが、私の答えです」

ここにいたいというのがきっと私の本当の願い







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