三人衆と徳川主従は、宿の主人以下従業員を拘束し、事の次第を調べた。
「おい、貴様等をどこにやった?」
「さっさと吐けやコラァ!」
「てめぇらが連れ去ったってこたぁわかってんだ」
ガンッと弟が椅子を蹴り飛ばす。
拘束された従業員はひ、と息を呑む。
「おめぇら…柄わりぃぞ」
ぼそっと徳川が呟いたが、三人衆は更に脅しをかけながら締め上げる。
「さっさと吐かねば、どうなるか…」
「火でもつけようか兄」
「業火よ!…ってなぁ」
もう一人の弟が松永の真似をする。
「焼死か…お前等、味わってみるか?」
それに乗って兄が冷ややかな視線を従業員達に送る。
「ま、待て待ておめぇら、そんなんじゃ喋れるもんも喋れねぇじゃねぇか!」
脅しすぎだ!
ん?とか言って凄んでいる三人衆を徳川は止める。
「あーも、忠勝、タダカーーツ!」
シュキューーン
本多が三人衆を抱えた。
「は、放せ、放してくれ本多殿」
「まだ脅し足りない!」
「八つ当たりが…!」
バタバタと手足を動かして本多の腕から逃れようと足掻く。
「ったく、どうしようもねぇな。おめぇら、今知っている情報を言えば罰は軽くしてやる、だから言っちまいな」
徳川は、暴れる三人衆を見て溜息を吐くと、真剣な顔で従業員達に言った。
「ーーー無事でいてくれーー」
「おめぇら、実は忠勝と同じくらいの速度で走ってねぇか?」
「ああ、さっき韋駄天買ったんで」
「三人装備中です」
三人衆は韋駄天つけて走り、徳川は本多に乗って従業員達が言っていたアジトに向かっていた。
あの後、すぐにぼろぼろ喋りだした彼らに、徳川が
「だから、最初からわしに任せればよかったのよ…」
と、呟いたとか。
「見えたぞ!忠勝、攻撃形態だ!」
シュー
「っカッコイイなぁ」
「いいな」
「ああ、いいなぁ」
形態を変える本多を見て、三人衆はうっとりと呟いてすぐさま顔を引き締めて本多の後に続いた。
「な、なんだ、お前等!」
「うわぁぁぁぁぁ」
「逃げろぉぉぉぉ」
本多が先頭を切って突撃したため、アジトは阿鼻叫喚の地獄絵図の如く悪党共が逃げ惑った。
三人衆はその流れに逆らって奥の部屋に向かう。
鍵がかけられていたその部屋に着くと、鍵を叩き壊して中に入る。
「っ」
女達が縛られて集められていたが、肝心のの姿が見当たらない。
「どこにいる?」
「兄、ここにはいないようだ」
女達の縄を解いてやりながらを探すが見当たらない。
「と、とりあえず、お前等は逃げろ」
「裏から回って真っ直ぐ行け」
女達を裏口から逃がしてやる。
さっき本多が大砲で道を作っておいたのだ。
三人衆は嫌な汗がたらりと背中を伝うのを感じた。
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