三人衆が外に出ると、すぐさま悪党が殴りかかってきた。
徳川は生かして捕らえるつもりのようで苦戦していた。
数ならば、悪党のほうに分がある。
その時、ある一団が悪党共を飲み込んだ。
「鬼ヶ島の鬼にてぇのは、この俺よ!長曾我部元親よっ…おめぇら悪さばっかりしてんじゃねぇ!!」
長曾我部がアジトに着いたのだ。
「長曾我部だと!?なんだっておめぇこんなとこに」
「ああ、アンタか…いやなに俺の知り合いがこいつらに攫われそうになっててよ。そんでいっちょ懲らしめに来たってわけよ」
碇を止めて、徳川の隣に立つ長曾我部。
「何にせよ、助かるな」
「ああ、多勢に無勢であったからな」
「早くを探しに行かねばならんしな」
三人衆が適当にそこいらの敵を投げ飛ばしながら言うと、長曾我部が驚いたように声を上げた。
「だって?あんたら、じゃあ、三好三人衆か…なら俺の部下と一緒に町にいる、安心しな」
今度は三人衆が驚く番だった。
「な、何故貴様がを知っている?」
「いや、まぁそのちょいとしたアレでよ…ともかく、アイツから頼まれててあんたらに自分は無事だって言ってくれってよ」
「その件についてはまた後ほど詳しく聞かせていただく」
「とりあず、助かった。礼を言う」
「ああ、気にすんな。こっちを先に片付けちまおうぜ」
と、長曾我部が言った時、敵の一人がどん、と投げ飛ばされて皆の前に落ちてきた。
飛ばされてきた方向を見ると、一人のお婆さんが肩で息をしながら立っていた。
「な、なんだ…?」
「そこのアンタ!餅食った金払わんかいっ」
茶屋のお婆さんは、徳川が払っていなかったお金を徴収しに来たようだった。
「あ!こりゃうっかり忘れてたわ…すまんすまん、これでいいか」
徳川が思い出してお婆さんにお金を払う。
「ええ、ええ、いいですよ。それじゃあ」
お金を払ってもらったお婆さんはそのまま帰っていった。
「…あーー、その、面目ねぇ。忠勝!全員捕縛しろっ」
固まっている空気に徳川は、恥ずかしくなってその恥ずかしさを隠すように本多に命じた。
そうして、その場は悪党全員の捕獲と町には女達が戻った。
「いやー助かった、おめぇらのお陰で最悪の事態にはならなかった。礼を言う」
「なに、気にするこたぁねぇ、俺らは本多忠勝を見に来たついでだしよぅ」
「俺達は、がまだ見つかっていないから何とも言えぬが」
「ま、たまには人助けもな」
「しておかねばな」
うんうん、と頷く三人衆に、長曾我部は不思議そうに見ている。
「なぁ、はおまえらにとって何なんだ?」
「変なことを聞くな」
「考えたこともないな」
「強いて言うなら妹のような、玩具のような…そんなもんだな」
弟の例えに、他の兄と弟も同意する。
「一応表向きでは松永様の遠縁ということになっているのでな」
「ああそうそう、そういうことで頼む」
「詳しいことは俺達もわからんから聞くなよ」
聞かれても答えないという三人衆の姿勢に徳川が難しい顔をして呟いた。
「…なんだか複雑だなぁおめぇらんとこ」
「ともかく、わしと忠勝はこいつら連れて先に城に行ってる。おまえさん達は、後でそのってのと一緒に来てくれ、礼と謝罪をしたい」
「おう、後で行くぜ」
「無事に合流したら向かいます」
と、町に入る手前で徳川と本多と別れ、長曾我部と三人衆はを迎えに町に向かった。
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