まず初めに感じたのは、地響きだ。
まるで小さな地震のように細かく地面が振動していた。
「じ、地震?」
「、落ち着け、しっかりと掴まっていろ俺に」
兄が、の手を握る。
「ちょっと待て。なんか聞こえないか?」
「唸り声?いや違うな、叫び声、でもないな…」
弟達が辺りを見回しながら耳を欹てる。
「なんか、うぉぉぉって言ってない?」
「ああ、そんな感じ」
が兄の腕をしかと持ちながら弟に言う。
「あちらの方からだな…」
「俺、わかった。間違いない、この熱気は」
兄がすっと見据えた先、四人の正面に赤い点。
正体がわかった弟はげんなりと呟いた。
「ぉぉぉぉぅぉおおおおおおおおおおおおお」
そして赤い点が段々大きくなり、人の形を作ったかと思うと、それ、は四人の横を凄い速さで駆け抜けて行った。
一瞬、と三人衆は見間違いだったのだろうかと沈黙した。
「…あれ?」
「真田、だよな」
「真田、だな」
「だよな」
其々、ぽつりと呟いて真田が消えた方向を見る。
三秒ほど後、
「うわぁ、ちょっと旦那達、何ぼうっと見てんのさ!止めてよっ」
猿飛が空から降ってきた。
「佐助さんアレを止めろと」
「無理だろう」
「無理な話だ」
「無謀にもほどがある。一般人だぞ俺らは」
ああ、やっぱりね、と四人は思いながら、答える。
「ちゃん以外は武将でしょーがっ!ああもう、悪いけど先の茶屋でちょっと待ってて、旦那回収してくるからっ」
猿飛は自棄に叫ぶと、忍の俊足で真田の後を追った。
「おお速い速いさすがだな」
「すごーいはやーい」
兄とが感心して呟く。
「ま、俺達も本気を出せば、な」
「もちろんだ兄弟」
「へぇ凄いんだねぇ三人衆」
「「「当たり前だ」」」
がどうでも良さそうに相槌を返したにも関わらず何故か三人衆は声を揃えて断言した。
「ん、なぁ、猿飛が先の茶屋で待つように、と言ったんだよな」
ふと、神妙な面持ちで弟が兄に言う。
「ああ、そうだな」
「と、いうことはだな。その茶屋の代金は…」
「佐助さん持ちってことに…」
兄の答えにもう一人の弟とは期待を込めて言葉を続ける。
「…なるな」
それに兄は一瞬考えて、答えを出した。
次の瞬間早かった。
まず、弟がを抱えた。
そして三人がさっきの真田と同じかそれ以上の速さで駆け出す。
早速茶屋に着いたら、
「おーいこの品書きの上から下まで四品ずつ」
と注文をするまで約十分も満たなかった。
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