「ところで」

「真田、お前破廉恥って言わないな」

「アレは都市伝説だったのか?」

三好三人衆は、じろじろと真田を見ながら口々に言う。

「うむ。佐助に今日一日その単語を発しなければ好きなだけ団子を食べてもよいと言われたのでな」

真田は真面目な顔でそう三人衆に答える。

「…猿飛」

「オカンだ」

「オカンだな」

そしてせこい

三人衆の目が今度は猿飛に向く。

「だって、旦那が破廉恥破廉恥言ってたら話進まないでしょーが」

それからオカンいうのやめて

猿飛は至極当然として答えた。

が、ゆらりと移動しての背後に回る。

「けど、好きなだけ団子を食べられても困るから、ね」

やんわりとの体を抱きしめる。

「こんなのはどうよ、旦那」

「な、な、ななななな…!」

真田は顔を真っ赤にしてガタッと音を立てて立ち上がる。

わなわなと体が震えていることから限界が近そうだ。

で物凄くやんわり抱きしめられているけれど、緊張して心臓がばくばくいうのがわかる。

(は、破廉恥ー!破廉恥ー!)

真田の代わりに心の中で大絶叫だ。

「馬鹿だな猿飛」

「愚かな…」

その状況を見て弟達が猿飛に憐れみの視線を送る。

「もうちょっと近づいたら旦那いけるかな…」

んーちゃんいい匂いー

猿飛が爆発寸前の真田を見て更に調子に乗ってを抱きしめている腕に力を込める。

ガシッ

しかし、猿飛の肩を掴んだ手があった。

「…猿飛」

振り返った猿飛は、後悔した。

物凄い顔の三好兄がいたのだ。

「あ、ご、ごめん、ね?三好の旦那、ほら、ね、俺様も悪かったし、ほら、お金がね、かかっててね…」

慌てて弁解するが、兄の表情は変わらない。

「…覚悟はできてるか?…俺はできてるぜ」

((((それ、違う人の台詞ーーーー!!!))))

と猿飛、弟達の心が一つになったが、真田は、一生懸命明後日の方向を見て自身を落ち着かせていた。

べりっと音が出そうなほどの勢いでから猿飛を引き剥がした兄はそのまま猿飛の首根っこを捕まえたまま茶屋を出る。

「ほんとごめんって、ぎゃーーーーーー!

嘘だろぉぉーーーーーーーーー!

外から猿飛の悲鳴が聞こえてきて、は必死に自身を落ち着かせている真田に近寄る。

「真田様、うちの兄が大変申し訳ありません」

ぽんと肩に手を置いて注意を促したのが悪かったのか。

ぶるり、と一瞬震えたかと思うと、

「は、破廉恥でござるぅぁーーーーーー!

一瞬の躊躇もなく、真田が叫んだ。

びぃぃんとは耳が痛くなったし、弟達も顔を顰めて真田の頭を拳骨で殴った。

「痛い」

「煩い」

「す、すまぬ、つい…ってあぁぁぁぁしまったでござるぅぁー!

「煩い」

「痛い」

弟達に殴られ、真田は謝るが、つい先ほど破廉恥と言ってしまったことに気がつきまた叫びまた弟達に殴られた。

茶屋の外では、猿飛が三好兄と取っ組み合いながら

「よっし」

と、拳を握ったとか。