落ち着いた真田とと三好弟達は、茶屋から出て、いつの間にやら愚痴を言い合っているオカン達を引っ張って、移動を始めた。
「真田、ここから後どれくらいで躑躅ヶ崎に着くんだ?」
三好弟が、真田に尋ねる。
「そうでござるな…某と佐助ならば一刻もあれば足りるのだが、今日は恐らく夕刻に着くであろう」
真田はちらとを見て考え、弟に答えた。
「飯は?」
「無論、用意するでござるよ。佐助が」
もう一人の弟からの質問も真田は快く答える。
言われた猿飛本人は未だに愚痴を言い合っているため聞こえてはいるもののこちらに意識が向かないようだ。
「でしょーだからさー俺様いっつも思うわけよー」
「ああ、わかるわかる。そうだな、まったくもってその通りだ」
などとさっきからBGMが如く愚痴が垂れ流されている。
「それにしても三好殿と佐助はよくも次から次へと話題が尽きぬでござるなぁ」
真田が感心したように呟いた。
「オカンだからな」
「オカンが二人だからな」
「オカン同盟ですから」
(リクエスト:第一回オカン同盟会合参照)
それに、弟達とが答える。
「オカン同盟…よもや佐助がそのようなものに入っているとは」
真田が、ん?聞いてないぞ、というような顔で言うものだからは慌てて弁解する。
「あ、いえ!ただ、私が勝手にそう呼んでいるだけで、別に入会とかそんなんないんです!」
真田はその勢いに目を瞬いて、にこりと笑った。
「ああ、別に構わぬ。いや某もそのオカン同盟とやらに当てはまると思うでござるよ。今の佐助と三好殿を見ていると」
あんなに輝いている佐助を見るのは年末以来でござる
ふい、と猿飛と三好兄が愚痴を駄弁っている方向を見ながら呟いた。
「年末か…」
「大掃除だな」
「オカンですね」
なんとなく三好弟達とも真田の言いたいことがわかって同じようにオカン達のほうを見て言う。
暫く皆無言で(愚痴除く)歩いていたが、途中で、あ!と真田が声を上げた。
「三好弟殿、館に着きましたら是非手合わせ願いたい。できれば三好殿ともしたいのだが、佐助に怒られそうなのでできたらなのだが」
「…遠慮する」
「辞退する」
一人の弟はちょっと考えて、もう一人の弟は即時に答えた。
「う、そ、そんなこと言わずに。鍛錬するにも相手が欲しいのでござるよ。佐助はご覧の通りでござるし…」
真田がちらり、と視線を送った先では更に愚痴が盛り上がっていた。
「うっそ、そうなの!?ありえなくない、松永軍!」
「だろう。それでな、そっからがまた凄いんだ」
真田は視線を戻して、弟達に頼む。
「夕餉ができるまでで構わぬ。旅の疲れもあろうが、是非!この通り!」
ぱんと手を合わせて言う真田に弟達は大きく溜息をついた。
「仕方がないな」
「夕餉までだぞ」
「おぉっかたじけない。あ、よかったら是非殿も鍛錬を…」
ぱあっと笑顔で真田は言葉を続けたが、それには弟達は途中で遮って止めた。
「しないから」
「させないから」
「えーっと、見学、させてもらいますね」
は、苦い笑みを浮かべて答えた。
「うむ。きっと参考になりましょうぞ!」
真田は、意気揚々と言って、館に着くのが待ち遠しいと言わんばかりに緩やかに笑みを浮かべた。
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