「ごめんねぇちゃん、予定変更なっちゃって」

猿飛が茶碗にご飯を装いながら、に今更申し訳なさそうに言う。

「構いませんよ。こちらこそ、すみません」

山盛りに盛られた茶碗を受け取って、横の三好兄に渡しながらは答える。

山盛りを渡された兄はそれを横の弟に回す。

弟もそれを前に座る弟に渡した。

渡された弟は一瞬考えてから、横の真田に渡した。

「おおすまぬな弟殿」

「いや…」

真田のその笑顔に弟は視線を背けて腹を押さえた。

「無理、無理だろ、昼間どれだけ食べたと、甘味だぞ、見てるこちらの気分が悪い」

そしてぶつぶつと呟きが口から漏れ出していたが、それを気にするものは誰もその場にはいなかった。

「皆しっかり食べないと駄目ですよ」

「そうだぞお前等。許さないからな、お残しは」

「「「…はーい」」」

「某はいつもしっかり食べているぞ!」

茶碗と杓文字を片手に言う猿飛に合わせて兄もオカン的台詞を言えば、と弟達はやる気のない返事を、真田は元気良く返事をした。

「それじゃ召し上がれ」

「「「「「いただきます」」」」」

手を合わせて挨拶はしっかりやらないと、二人もいるオカンに手を叩かれる。

今までで身に沁みている面々はきちんとしてから箸をつける。

「そういえば、森ってどのくらいの広さなんですか?」

「んーっとねぇ、俺様だったらすぐかなー」

旦那、米粒ついてる

ぬぉっどこだ?

ここ

の前に座る猿飛が真田の米粒を取ってやりながら答えた。

「あの、普通の一般の、人だったらどのくらいで通り抜けますか?」

こら、嫌いだからとこちらの膳にのせるなっ

残すなと兄が言うからな

「どうかなぁ、丸一日あったらいけるはずだからそんなに心配しなくても大丈夫だよ」

「そうでござる。いざとなれば三好殿が殿を担いで運べば良いだろう」

「ちょっと待て真田。兄では荷が勝ちすぎる、俺がを運ぼう」

「誰でも良いでござるよ」

真田の横に座っている弟が言えば真田は首を傾げた。

「じゃあ俺様運ぶー!」

「破廉恥でござるぅぁ」

「ぅぶっ」

はいはーいと手を上げた猿飛には真田は猿飛の右頬に左拳を打ち込んだ。

「自業自得だ猿飛」

「佐助さん、大丈夫ですか?」

冷たい視線を送る兄、は結構思いっきり入っているのを正面で見たため声をかけた。

猿飛は右頬を擦りながらへらりとして言う。

「あーうん、大丈夫、慣れてるから…」

後半に声が沈んだのは、自分で言って悲しくなったのだろう。

「心配無用でござるよ、殿。佐助はこれでも真田忍隊の長でござる。これしきで音を上げるような者ではござらぬ」

そんな猿飛の横で真田はやけに自信に満ち溢れた顔で言い切った。

それにはも兄も苦笑をするに留まることしかできなかった。

「まぁなんにせよ、明日は早朝から移動を開始しましょうかね」

「そうだな」

「わかりました」

「うむ、そうと決まれば、佐助!おかわりっ」

「「まだ食べるのか…」」

猿飛の提案に兄とは頷き、真田が山盛りのご飯を平らげて猿飛に茶碗を渡した。

それを見ていた弟達は、呆れたように呟いた。