※ネタバレ要注意
「来たか」
伝令が、下に伊達軍が来たことを知らせた。
「助けてくれぇ」
「殺すぞてめぇ」
捕虜になった人たちが騒がしく喚いた。
もそれに便乗し
「助けてくださいー」
と小声で言ってみた。
大声で言ったらなんか怖い。
松永が、明らかに姿の見えない奥州双竜に話しかける。
「独眼竜ご機嫌如何かな。六(りゅう)の刀を貰いに来たのだが問題あるまい」
しかし、そんなに大きな声ではないのに聞こえていたらしく返事が返ってくる。
「Hum…代わりにアンタは何をくれるんだ?」
その問いに松永は笑い、懐から小刀を取り出した。
「そうだな。では彼らの死を贈ろう」
びくとの体が動いた。
何かを言わないとと思うが、何も言えず松永を見つめる。
「やめろぉひっとうこじゅうろうさま〜うわぁうわあああああぁ」
狙いをつけた一人の頭の脇に小刀を投げつけた。
悲鳴だけが届いたのだろう。
「松永…!てめぇ捕虜を相手に容赦なしか」
片倉の怒声が聞こえた。
第一の門が突破された。
「洞窟を抜けるなら気をつけてくれたまえ」
松永がとても楽しそうに言っている。
そういえば、横穴が沢山あったとは思い出す。
「そろそろ三好らのいるあたりだな」
ちらりと松永がのほうを見る。
「何ですか?」
むっすぅとちょっと棘々しく言ってみる。
「いや何も」
暫くして、三人衆の守っていた門も突破された。
「死んではいないよ」
蒼褪めたに松永は言った。
洞窟内で大きな爆発が起き、洞窟の出入口が塞がった。
「火薬が強すぎたか。計算外だが、まぁ問題あるまい」
「久秀様って結構計算外多いですよね」
ねちねちと嫌味を言ってやる。
「ククッ」
松永は意に介さない様子でただ笑った。
「ところで、卿は独眼竜とその右目は知っているかね?」
「えぇ、まぁ、伊達政宗公と片倉小十郎景綱様ですよね?」
が名前を言うと、松永は驚いた。
「右目の名前は片倉と言うのか…」
捕虜、一同心の中でずっこけた。
「てめぇ、なめてんのか!」
「小十郎様はなぁ、お前なんかよりずっと凄いんだぞ!」
わぁぎゃぁ捕虜が喚きたてた。
しかし、松永が地面の杭に繋がっている縄に刀を当てるとピタリと静かになった。
「ひとつふたつまたひとつ。人は生まれて壊れることの繰り返しだ」
松永が斬ってしまおうかと思った時、出入口の氷塊が崩れ、奥州双竜が乗り込んできた。
「やぁ独眼竜とその右目。よく来たなと言いたいところだが、機嫌はあまり良くないようだな」
「てめぇ、自分のしたことがよくわかっていねぇようだな」
松永の台詞に片倉が吼える。
「おい、小十郎。うちの斥候に女なんていたか?」
伊達がに気づいた。
「は?何をおっしゃいます、いるわけありません」
は、本物の奥州双竜を目の前にして心の中で大暴れしていた。
(うわ、ちょ、ぇ、小十郎と政宗だだ!生だ生!うわうわうわぁ)
自分が縛られ、崖っぷちにいることを忘れ、食い入るように双竜を見つめていた。
「ああ、これなら気にしなくていい。ただの戯れだ」
「戯れ、だと…政宗様、ここはこの小十郎にお任せを。貴方の手を薄汚い血で汚す必要はない!」
片倉の逆鱗に触れたようだった。
「オーケーその粋見せてみろ!」
伊達がそう言い、片倉が松永に迫って来た。
「おっと、その前に」
松永がのほうにやってきた。
その不穏な様子には現実に戻された。
「ぇ、何、ちょ、嘘、嘘ですよね、久秀様、ちょ、なんですかその刀、ぇ、片倉殿来てますよ、ぇ、ぇ、ほんと、うそうそ、ぇ、ぁ、ちょ、まっ、」
松永は躊躇うことなく、の命綱をさくっと切った。
「嘘だろぉーーーーーーー!!!」
の目には自分が崖下へ落ちていく様がスローモーションに見えた。
「てめぇ…女子供にも容赦ねぇのか!!」
片倉がまたも吼える。
「ククッ瑣末、瑣末」
松永の楽しそうな声が聞こえ、の意識は暗転した。
ここで終わる…?(END1)
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