「おはよう、」
「今日もいい天気だぞ」
「実にいい朝だ」
三人衆が爽やかな笑顔で顔を洗ってきたを迎える。
が、は、ひくつく口端を隠しもせずに毒づいた。
「それはようございましたね、私は昨日全然寝れなくて朝から頭痛がしますよ、ええ」
それに三人衆は驚いた。
「な、頭痛だと?大丈夫か」
「医者に診てもらったほうがよいだろう」
「熱はないか?」
弟がの額に手を当てる。
「熱は、ないみたいだな」
「なんでか聞かないの?」
は半眼で三人衆を睨みつける。
「あっまぁ、その、なぁ…」
「あ、ああ、アレだ、その、悪気はなかったんだ」
「そうだ、悪気はなかった、つい、熱中してしまって、な」
じとっとした視線に三人衆はたじろいで弁解する。
心なしかの額に青筋が浮かんでるような気もした。
「へぇ?それで夜更けまで意味不明な擬音語論を展開しちゃったんだ、人の気も知らず」
口端は釣りあがって笑みの形を形作っているのに、目が笑っていない。
三人衆はたまにこういうのを見ることがある。
松永もよく浮かべるのだ、この、笑っていて笑っていない笑顔を。
「わ、悪かった」
「本当にすまない」
「最近ほんと松永様に似てきたよな、」
兄と弟が謝罪しているのに、もう一人の弟が余計なことを言う。
「バカッ」
「余計なことを…」
「え、あ、すまん」
兄と弟が余計なことを言った弟を責め、恐る恐るを見た。
そこには、笑顔のがいた。
「私、今日はずっと寝てるから。誰が何と言おうとも寝てるから、後よろしく」
そう言うが早いか、は布団に潜り込んでしまった。
「え、えぇぇぇちょっと待て」
「折角準備万端にしてあるんだぞ」
「よく考えろ!」
三人衆は慌ててを起こそうと膨らんだ布団に向かって言う。
は、その声に布団からちょこっと顔を出した。
「三人衆…」
「なんだ?」
「さあ行こう」
「な、起きろ」
「…おやすみ」
三人衆がほっとしたのも束の間、はにこっと微笑むとまた布団の中に戻ってしまった。
三人衆は顔を見合わせると、同時に溜息を吐いた。
「まぁ、元はといえば、俺達が悪い」
「そうだな、今日くらいゆっくりしてもいいだろう」
「ここのところ歩き通しだったからな」
うんうんと頷きあうと、の眠りを妨げないように三人衆は静かに部屋から出て行った。
そしては、静かに安らかな眠りへと誘われていった。
→
三人衆の様子を見る→